足の番人 アドバンスコース3「危険な足1 糖尿病足病変」

  1. 活動報告

日時:2020 年 2 月 13 日 木曜日 18:30~20:30
場所:北沢タウンホール 3 階会議室
講師:下北沢病院長 富田益臣先生
参加人数: 50 名参加(満員御礼) 報告者:櫻井敦博

一般社団法人 足の番人とは、「危ない足」「危なくない足」の違いを熟知し、足の評価 やフットケアに関わることで患者さん・利用者さん・お客さんの足の問題点を察知し、トラブルの悪化を防ぎ寝たきりやフレイル、歩行障害の予防をする“地域の足の守るゲート キーパ”を育てる団体です。
今回のアドバンスコースは、下北沢病院の富田益臣医師による「糖尿病足病変」についての 講義でした。2 月とは思えない暖かい陽気の中、会場には意識の高い多業種の参加者で満席となりました。


1万人!!
糖尿病などが原因で年間の 1 万人以上の方が下肢切断をしていると言われています。
日本の糖尿病患者は 316 万人 その中で足潰瘍発症者は 2.2%-5.9%のおよそ 13 万人 そして残念なことに下肢切断は 1 万人以上です。
足の切断を防ぐために、冨田医師は「見えるか」が大切だと説いています。
糖尿病診察において見えているはずなのに「見えていない」ものには、「足」と「低血糖」 があります。これらは予後に直接関係するので下北沢病院では下記についての2つの「見えるか」を実施しているそうです。
1.「足のリスクの見えるか」
糖尿病患者さんは1年に 1 回は足のリスク評価が必要。 2.「血糖(グルコース値)の見えるか」 低血糖、高血糖を見えるかして血糖スパイク(食後高血糖)の発見。
そして、糖尿病には1型と2型があり、その特徴と血糖コントロールの大切さ、F G M の
有用性について教えていただきました。ちなみに FGM を活用することで血糖トレンド(血 糖変動の傾向)を知り、高血糖の是正や無自覚性低血糖・夜間 低血糖が起きているかを確か めることができるそうです。
その他にも、糖尿病の足の合併症には、神経障害、高足底圧、血流障害などの発生リスク因 子があることや糖尿病は筋力が低下する運動器疾患であり、サルコペニアやフレイルをき たしやすいこと。米国では足病医による予防的フットケアの提供が行われていることなど を教えていただきました。
まだまだ盛り沢山の内容で報告し切れないのですが、最後に Dr.ポール・ブランド(ハンセ ン病患者の手に使用する腱移植技術の開発の先駆者)の言葉を紹介したいと思います。
「糖尿病患者の足の切断を防ぐには、靴下や靴を脱がせて、足を調べることである。」
By Dr. Paul Brand セミナー終了後には、シルバーランク取得者の授与式があり、14 人の熱心な会員が授与されました。
今後の足の番人セミナーの予定といたしまして、 3月18日水曜日にカテゴリ4の「危険 な足2 循環・血流障害」のセミナーを行います。
会場は北沢タウンホールです。
皆さまにお会いできるのを楽しみにしております。

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